直近の書籍づくりできづいた「編集者のしごと」

先週、アンケートにご協力いただいた皆様ありがとうございました…!!母の本のアンケートに届いた回答を読みながら、考えていたことです。
まむし 2026.08.31
誰でも

こんにちは、まむしです。

先週このニュースレターで、母の本のアンケートのお願いをしました。答えてくださった皆さん、本当にありがとうございます!

一つ一つ拝見して、唸る毎日です。

面白いのは、すでにお会いしたことのある方の回答にも、初めて知る話が多いことでした。

何度も話しているはずの相手なのに、こんな背景があったのか、と。

■ 見ようとしないと、見えてこないもの

何年も一緒に仕事をしている相手の、大きな出来事をまったく知らない。

考えてみれば、ありがちなことだと思います。プライベートのことをずけずけ聞けるわけではありませんし、話したくないことだってあるでしょうし。

つまり日常には、相手の見えない部分を想像するための型がないんですよね。

今回それが見えたのは、アンケートという形があったからでした。

そして、「みんな大変なんだな」と知ることは、想像力を育ててくれる気がします。

想像力があれば、他人に優しくできるかもしれない。自分自身も「いざ」というときに備えて、何かできることがあると気づけるかもしれない。

母の本が、そういう想像力のきっかけになったらいいなと。

月並みですけど、気が引き締まります。

■ コンテンツは、次の場所に連れて行ってくれる

ところで話はそれますが、コンテンツの世界には「コンテンツが自分をどこかに連れて行ってくれる」という言い方があります。

いい記事や本を作ると、それが次の仕事を呼んだり、人脈を作ってくれたりする。

僕自身、2023年に『誰も教えてくれない編集力の鍛え方』という本を出して、これを体験しました。

セミナーに呼んでもらえるようになり、コラムの依頼をいただき、連鎖的に次の取り組みにつながっていく。

自分が何かするでもなく、コンテンツがご縁を持ってきてくれる感覚です。本に限らず、記事一本でも起きることだと思います。

連れて行ってもらった先で生まれるのは、人脈と、知見と、体験。
本を作ることの一番の価値というのは、(原稿料云々もさることながら)こういうところにあると思っています。

■ こんどは、「連れて行く」側へ

いま母の本で僕がやっているのは、この「連れて行く」側に回ることです。

いただいた回答を読んで、母や編集者の方に渡して、どう本に反映するかを一緒に考える。

熱量の高い読者に出会った著者は、勢いづきます。
勢いづいた著者のコンテンツは、面白くなる。
面白くなったコンテンツは、著者や読者を、予想外の次の場所に連れて行く。

この、「予想外の場所に連れて行ってくれるコンテンツ作り」をサポートしている実感を持てる時間が、いまの僕がいちばん「編集者らしいな」と感じる瞬間です。

「あー、これからの編集者って、こういう作業が大事なのかもな」とも。

■ 心の中の読者から、実際の読者へ

なぜ「これからの」編集者の話だと思うのか。

AIの登場で、原稿をつくるという作業自体の手間が、どんどん減っているからです。

思い返すと、むかしは「書く」こと自体が、読者との対話でした。

心の中の読者と話しながら、これは要る、これは要らないと判断していく。そのやり取りのなかで熱量が高まって、発信のモチベーションもさらに上がっていく感覚がありました。

ただ、この内なる対話には、課題もありました。

「心の中の読者」が実際の読者とズレていると、売れなかったり、独りよがりになってしまったりする。

それに、そもそも書くのが大変すぎて、出版したときにはもう息切れしている。
出版後、売るための活動が、後手後手に回る。
これも、あるあるだったように思います。

言ってみればAIで原稿づくりが楽になるというのは、
この対話の時間まで一緒に減るということでもあります。

生みの苦しみが減ってしまうと、著者の中で本に対する当事者意識が下がる。
そうすると、内容も面白くなくなって、
「自分をどこにも連れて行ってくれないコンテンツ」を生み出して終わり、となってしまう。
そうなってしまうのが、一番怖いなと思っています。

だからこれからは、心の中の読者の代わりに、実際の読者とどこまで対話できるかが大事なんじゃないか、というのが僕の所感です。

AIによって浮いた時間で、編集者の側から読者との距離を詰めにいく。
そして得られた知見や読者の実像を著者とも共有し、出版の使命感を高め、
コンテンツを昇華させていく。

今回取らせていただいているアンケートも、僕にとってはそういうための手段なんだなと。
結局、今回の本が関係者をどこまで連れて行ってくれるかは、
小手先のマーケティングではなく、地道に読者と向き合った分で決まる気がしています。

もしこれから、ご回答いただけるという方がいらっしゃれば、ぜひ以下から回答いただけると嬉しいです。

▼アンケートはこちら▼

■ 今週の議題

皆さんは、AIで浮いた時間を、どこに振り分けていますか。

番号ひとつだけでも嬉しいです。

  • 取材や読者理解など、インプットに回している

  • 制作の本数を増やしている

  • 別の仕事や、休みに回している

  • 正直、そんなに浮いていない

上記のように書きはしましたが、日常業務に置き換えると僕自身、まだまだあやしいと言えばあやしいです。気づくと空いた分だけ別の原稿を入れていたりするので。。

ぜひ皆さんのお考えもお聞かせください!

このメールに返信するでも大丈夫です!感想やお考えだけ送り返すでも、ぜひぜひ!

▼Xなら「#みんなの編集会議」をつけてポストしてください。必ず拾いに行きます

▼回答フォームはこちら(一言だけでも大歓迎) https://forms.gle/gBE1XhVa9ihEgpk87

▼匿名がよければ、Noteの質問箱へ https://note.com/qa/mamushimamu

重ね重ね、アンケートにご協力いただいたみなさま、ありがとうございます!!!
必ずどこかで還元します!!

それでは、また来週!

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