「みんな正解時代」のメディア論

僕は、他社の編集部の方と「交換研修」というのをたまにやっています。これは、僕が企業で社内研修をさせてもらう代わりに、相手の編集部の方にも、僕のいる編集部のメンバーに向けて話をしてもらう、という仕組みです。
研修テーマは企画、取材、執筆、編集、AI活用やタイトルワークなどさまざま。
お互いの課題や話しやすいテーマを設定し、知見交流をするようにして、もう1年ほど経ちます。他社の編集部とやり取りをする機会は意外と少ないものですが、こうして研修を実施してみると、自社の編集部員からは引き出せないような本音の悩みも聞けることがあり、講師を務めるのがとても楽しいです。
先日、とある 独立系のメディア企業の編集部でお話させていただいたときのこと。
編集部員の方から、「これからメディアに求められることって何だと思いますか?」という質問をいただきました。が、僕はその場で、うまく打ち返すことができませんでした。とても大事なテーマのはずで、日ごろから考えておくべき内容なのにもかかわらず。
・「良質な情報を提供すること」。
→もちろん、それはそうなんでしょう。でも、あまりにもバクっとしすぎる。
・「その人に合った情報を、その人に合う形で提供すること」。
→これも確かにそうかもしれません。でも、その役割はいま、個人で情報発信しているインフルエンサーが担っているのではないか。
ううむ。メディアには何が求められているのだろう。
■「答えのない時代」に大事なのは
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