「愛される企画」どうやったらつくれる?『愛されるデザイン』前田高志さんと語る
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※この記事は、僕と前田さんのXのスペースでのやり取りをインタビューにしたものです
【プロフィール】前田高志さん
デザイナー/株式会社NASU 代表取締役//クリエイターコミュニティ マエデ(前田デザイン室)室長。
◆「デザインだけじゃない、人生の話だ」
青山ブックセンターで本を売る前田さん。すごい迫力。
まむし ※以下「ま」)本日はよろしくお願いします。先ほど「愛されるデザイン」ポチらせていただきましたw「デザインだけじゃない、これは人生の話だ」という帯コメントがよいなと。
前田さん ※以下「前」)ありがとうございます。
当初、「人生の話」とまでは考えていなかったんですけど、編集担当の方や、周りのスタッフにも言ってもらえるようになったんです。帯コメントを書いてくれたのは有名保育士のてぃ先生ですが、彼が子どもに行動を促すときの考え方・言い方は確かに、めちゃくちゃ「デザイン」だなぁとも思います。
ま)なるほど。その辺も面白そうです。さっそくご著作を読んでみて、「コミュ力の高さ」について書いた箇所が面白かったです。「(コミュ力とは)すぐに親しくなれる人のことではなくて、何を考えているかわかりやすい人、声を掛けられやすい状態を作って能動的に愛されに行く人のことだ」とあって、納得しました。
「親しみやすさ」「本音」「声の掛けやすさ」を伝えるツールとして、デザインや、コンテンツがあるとすると、デザインと編集というのは、近いところにありそうだなと。
前)まさに。ご紹介ありがとうございます。
編集者の方って言葉や定義をとても大事にしますよね。コンテンツの細部を見ながら「このメッセージに対してこの表現は違くない?」と思う感覚は、僕もすごく大事にしています。
デザイナーには「アートタイプ」と「ことばタイプ」がいるのですが、僕はどちらかというと「ことばタイプ」なんです。筋を通すとか、論理的に企画を立てていくようなアプローチを取ることが多くって。
特に任天堂から独立してからは、クリエイティブディレクション能力を磨かなければと思って、コピーライターの方や編集者の方を追いかけるようになりました。表現が言葉メインか、ビジュアルメインかというくらいの違いで、根本はデザインも編集も同じなんでしょうね。
ま)一方の「アートタイプ」は、発想というかひらめきタイプみたいなイメージでしょうか。
前)そうですね。もちろん僕もそういう要素はあるんですが、画力でもっていく。すごいビジュアルを作って、それで心を動かしていくようなタイプと言いますか。
ま)ご著作の中では「優れたデザイナーはみんな定義づけの鬼である」みたいな記載もありますけど、「アートタイプ」も「ことばタイプ」も、「言語化能力は大事」ということなんですね。
前)僕が過去25年くらい広告クリエイターを見てきて、本当にそれは思います。
過去取材したクリエイターの方の中でもずばぬけて言語化能力に優れた人がいたんですが、ひとりは「ピタゴラスイッチ」「バザールでござーる」」などで有名な佐藤雅彦さん。もう一人は資生堂の「TSUBAKI」などで知られる大貫卓也さん。この二人は言語能力がすさまじかったですね。
ま)何がすさまじかったんですか?
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- ◆企画力、どう磨く?
- ◆編集とデザインの共通点は
- ◆「デザインを使う」ということ
- ◆「抑することは、良くすること」
- #編集後記
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