半年で100万PV達成「カインズさん流の企画の出し方」
■プロフィール
与那覇一史さん
1990年1月生まれ。沖縄県出身。美術専門出版社の営業職を経て、株式会社キュービックでメディア運用に従事。その後、体験ギフトのソウ・エクスペリエンス株式会社でECサイトのグロースを経験。現在はメダカ、ミジンコ、SEO、縄文時代、家庭菜園、読書、筋トレを相棒に「おもしろいコンテンツ」を模索している。人生のテーマは観察と分析と実行。
■「面白企画」の舞台裏
まむし)となりのカインズさん、よく見てます。最初は「ホームセンターのカインズが、どうしてこんなメディアをやっているんだろう?」とも思っていたのですが、「となりのカインズさん」をSNSなどで見かける頻度が増えてだんだんと、「こういう遊び心を大事にしている会社なのかな」と、自分の中のイメージが変わっていったような気がします。
与那覇さん)もともとのカインズには真面目なイメージをお持ちの方も多いかもしれませんね。実はカインズには「枠をこえる」というコアバリューがあります。だからこそ、ちょっと違和感を感じるくらいエッジの立った企画を展開していき、面白がってもらえるというのは大事にしているところでもあります。
まむし)あえてやられているんですね。すごい。企画出しのところ、どうやっているのかますます気になります。
与那覇さん)編集部には「メシの横にムシ」「オウンドメディアは玉虫色」といったキーワードを根付かせ、型にはまらないユニークな記事作りを心がけています。
例えばトップページを見ていただくと、料理のレシピ記事のとなりに昆虫の飼い方の記事が並んでいたり、園芸の記事のとなりにカナヘビの記事が並んでいたりします。一般的なメディアとは一線を画す構成になっていますが、これも「ホームセンターらしさ」を大切にした結果です。ホームセンターには料理や園芸以外にも、ペットや DIY など、くらしに役立つさまざまなジャンルの商品が揃っています。それを「メシの横にムシ」という形で表現することで、ホームセンターの魅力を余すことなく伝えたいと考えているんです。
まむし)「メシの横にムシ」。めちゃくちゃ象徴的にビジョンを示してますね。面白い。基本的に企画は編集部のアイデアなんですか?それともライターさんから出てくるものなんでしょうか。
与那覇さん)もちろん編集部提案の記事も大事にしてますが、むしろライターさんから「この商品を見つけたから記事にしたい」とか「この使い方したら面白くなると思う」みたいな提案が生まれるのが理想だと思っています。ライターさんの書きたいテーマを編集部がサポートして、一緒に面白い記事を作っていく、そんな感じですね。
普通の企業だと社員を取り上げる場合、あくまで仕事に関連したことしか書きませんが、私たちはメンバー(※カインズでは一緒に働く社員のことをメンバーと呼んでいるそう)のプライベートな趣味や特技にもスポットを当てています。
「となりのカインズさん」は、いわばメンバーのB面を存分に語れる場なんです。だからこそ、型破りな企画が次々と生まれてくるんだと思います。
まむし)ほうほう。編集部の方が商品知識豊富だし、会社として売りたい商品とかも分かってそうなイメージがあるんですが、なんでライターさん主導なんでしょう。
与那覇さん)企業主導が強くなると、読者が冷めちゃうかなと。カインズには本当に様々なお客様がいらっしゃって、ある意味お客様の方が店舗のこと、商品の使い方を一番知ってたりするんです。だから編集部は「ライターさんやお客様から学ばせていただいている」という意識が強いですね。
まむし)へえ、そこまで謙虚にお客様から学ぼうとしているんですね。ライターさんも、園芸やDIYなど専門知識のある方が多いんでしょうか。
与那覇さん)そうですね。園芸やDIYなどを趣味でやってる方、ペットを飼ってる方など、ホームセンターのジャンルに精通しているライターさんが多いです。春になると園芸系ライターさんが活躍したりと、いろんなジャンルに詳しいライターさんと繋がりを作っておいたうえで、カインズを回っていただいて感じたことや、実際に商品を使ってやってみたことなども参考に、自由な企画出しをお願いしています。
まむし)そうか。ライターさん的には、カインズをぐるっと回るだけで取材、みたいなところもあるんですね。でも、そんな自由に書いてもらっていてとなりのカインズらしい方向性を保つことって可能なんですか…?
与那覇さん)そうですね。我々のメディアのコンセプトが「ホームセンターを遊び倒すメディア」なので、そのコンセプトを大事にしつつ、毎週やっている企画会議で、みんなで話し合いながら、方向性を探っています。
例えば、「園芸の記事を書きたい」という企画があったとして。ただ園芸するだけじゃなくて、プランターでないものをプランターにできないかみたいな切り口を提案したり。「となりのカインズさんらしさ」とは何だろうと思考を巡らせながら、ブラッシュアップしていきます。
まむし)企画を否定するんじゃなくて、メディアのコンセプトに沿って軌道修正されていらっしゃるんですね。
与那覇さん)そうなんです。とはいえ、「遊び倒す」というコンセプトの解釈はすごく広いので、誰かを傷つけたり攻撃するような内容でなければ、わりとOKな範囲が広いんです。
まむし)なるほど。その意識共有は大変そう。企画会議の進め方など、工夫していることはありますか。
与那覇さん)そうですね。となりのカインズさんは基本的にはライターさん主導なんですが、「現在どの企画が進行しているか」は編集部でチェックしています。
工夫していることとしては、企画の良し悪しを点数付けて数値化する…みたいなことは、あまりやらないようにしています。あくまで、ライターさんのやりたいことを後押ししつつ、全体の方向性も見失わないように伴走する、そんなイメージですかね。
※来週は引き続き与那覇さんと一緒に「オウンドメディアにおける良いPVと悪いPVってなあに?」というところについて語らいます!!
⬛︎今後どうなる?フリーランスの在り方を考えるイベント
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